Satoブログ
意思疎通の難しさ
昨日はA社の新年度スタートに向けた社内会議が行われました。会社の会議室ではなく、仙台市の公共施設の会議室を使ってのものでした。 A社様は創業以来順調に業績を伸ばし、売上げ・利益ともに成長している会社ですが、今回初めてこうした会議をしたのには理由があります。
成長企業の特徴に、規模が大きくなった割に社内インフラの整備が追いつかない場合が多く見受けられます。少人数の気心の知れたメンバーによる起業ですし、あうんの呼吸で言葉を出さなくても通じ合える状況のなか、顧客開拓と売上げ増進に神経と血液を集中させるのが普通です。それが徐々に新入社員が増えてきて、ワンルームで始めた事務所の部屋数が増え、他県への拠点進出も果たし、更に新規の事業展開を図るわけです。
ところが営業や企画系に神経と血液を集中する状態が続いていますから、人事労務や採用後教育・組織の点検や修正・役職者の責任分担の垣根決め・社員の仕事ぶりに対する評価と処遇ルールなどがいつしか非常に曖昧なものとなっていくわけです。成長するからこその問題ですが、やっかいなことにこうした問題は目につきにくいものなのです。
社長には先を見越した展開案がありそれを着実にこなしていくのですが、様々な曖昧さが社員にとっての不満を引き起こすことがあり、それによってどんよりとした空気が立ち込めたりすることがあります。
A社のS社長は、そうした問題が深刻になる前に対策を打とうと考えられ、トップが全社員に直接生の声で会社運営に関する考え方や今後の進路案などについて伝えようと思われたのが昨日の会議となったのです。
実はいろいろな形で様々な情報は社内に発信はされていたのです。しかし課ごとであったり、細切れの断片情報ごとだったりしたことで、正確に全体を把握している社員が以外に少ないことに気づいたのが発端です。
話した・伝えたは管理職側の認識ですが、聞いた・伝えられた方は必ずしも伝えた側の意図通りには消化されてなかったとも言えるかもしれません。コミュニケーションの法則の一つに、「話し手の能力が大事なのではなく、聞き手の能力と感情が重要」というものがありますが名言です。
言ったつもりでも聞いた側が認識してなければ、少なくても伝えたことにはなりません。
同じ会社に働いていても、毎日顔を合わせて言葉を交わしていても、重要なテーマについてはお互いに耳と口と頭の神経を集中してきちんと話し合いをすることが大事なんだとあらためて感じさせられた次第です。
弊社はわずか4人だけの事務所ですが、それでも近頃意思疎通不足を山ほど感じるようになってる次第。 A社様の会議を参考にさせていただこうと反省しきりです。
原因志向と結果志向
たとえば業績低迷に苦しむA社が、逆転ホームランを狙って新商品を発売しましたが完全な空振りに終わりました。さっそく会議を開いて今後の打開策を話し合うこととなりました。業績低迷に苦しんでいますので猶予はないのです。
こんなとき新商品が売れなかった原因は何か、企画が悪かったのか・市場調査が悪かったのか、販売手法がまずかったのかなどを追求して、原因分析から対策立案につなげようとすることを「原因志向」の考え方と言います。英語では「プロビレムフレーム」というのだそうです。
一方、A社の深刻度は日を追って増しています。もはや失敗商品を振り返っている余裕などなく、次にどんな手を打つべきかを急いで考えなければならない状況でもあります。そこで、どうやったらこの深刻な状況を打開できるかを考え、別のプランを練り上げることにしました。こうした考え方を「結果志向」と言い、英語では「アウトカムフレーム」というのだそうです。
もちろんどちらが良いとか悪いとかではありません。失敗の原因を次の手に生かすことは必要ですし、それはさておき次は何を?という考え方も大事でしょう。
ただし、前者はどちらかというとネガティブになりがちなことに注意が必要です。へたをすると、誰が悪いのか?とか何課の努力が足りなかったからだ!などと、お互いに感情を害するようなやりとりに落ち込みかねません。
もしも国道の交差点で突然エンストしてしまったら、多くの人は「なぜエンジンが止まったのだろうか?オイルが足りなかったか?・・・」などと考えることはせず、どうやって交差点から車を移動させるかと苦心するはずです。原因志向と結果志向の順番が逆転してはお話になりません。
それほど切迫感がない場合でも、日常の仕事や生活の場でこうしたことは常に判断を求められます。ただし大事なのは、何をしたいか?という目的から視点をそらせてはいけない点ではないでしょうか。時には、原因志向に向かう姿勢が評論家的になってしまいがちなことが気になります。優先事項は目的の達成であって、重箱の隅を気にしすぎてろくなことはありません。
コンサルでお客様と打ち合わせさせていただく際も、できるだけ冷静に使い分けできるよう心がけている次第です。
人材とは人的財産なり
経営者に対するアンケートをみると、共通してあげられる重要課題に「人材の育成」「組織基盤の見直し」「後継者の育成」などはいつも共通しています。緊急課題には「マーケティング」や「商品開発・新規開拓」があげられるますが、重みとしては人の活用がそれだけ比重が大きい現れでしょう。
人材育成と一言で言ってもこれは難しいものです。人事教育担当などいない会社が圧倒的に多いのです。時間の確保も育成のためのプログラムやノウハウもないのが普通です。しかたないのでOJTで・・・となりますが、事実上職場の上司や同僚の力に頼っているのが現状ですし、OJTのやり方に熟知した人間がいなければ事実上“放っておかれる”ことになります。
社員を価値ある人材にするには、それなりの仕組み作りが必要だということですね。その代わりそれがうまくいったときには大きな利益がもたらされます。100人が働く職場で、半分の50人の生産性が10%伸びれば、結果として全社で5人の新しい戦力が加わったのと同じことになります。会社にとって、社員教育は大きなリターンを期待できる投資だといわれるゆえんです。
お客様であるI社様のS副社長から昨日メールと電話をいただきました。同社では業績拡大に伴って正社員を募集していますが、ターゲットとなる若い女性にどのような求人方法をとればいいかを検討しているところです。たまたま副社長が、製品検査チームを束ねるHさんに朝の雑談でそのことを話したところ、Hさんは以前求人誌を編集する会社に勤めており、具体的なたたき台を手伝いましょうかと申し出てくれたのだそうです。昨日のメールは、Hさんが休日に自宅で作ってくれた提案を添付ファイルで送ってくださったものでした。
もうビックリです。素人ではありません、S副社長や私が素人の浅知恵で考えようとしてもとても考えられないようなものがあっという間に4案も作られていたからです。私はビックリしましたが、同時におっと気づきました。どうしてこういう才能が身近にあることに気がつかなかったかです。
同社は製造業種であり、Hさんはその中の検査ラインのサブチーフさんです。当然モノを作ったり、品質を検査したり、スタッフを指揮したりについては十分に熟知されていますが、それ以外の能力や技能を探ろうという発想はまるでありませんでした。たぶんHさん以外にも多くの社員の皆さんの中にはこうした人材が隠れているのだろうとも思いました。
人材は会社が作るものですが、すでに個々人が持っている隠れた能力や技能を上手に活用することはキーになるのかもしれません。私にとっては新しい気づきをいただいたことに感謝です。
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