Satoブログ

住民票と戸籍制度

はじめは「なんと不思議なことが・・・」と思っていたわけですが、その後続々と話題になるにつれ、実に妙な気持ちにさせられました。100歳以上のお年寄り大量行方不明事件のことです。私は、日本は世界中でも最も国民の正確な把握ができている国だと思っていました。たぶん多くの方が同じような思いを持っていたのではないかと推察します。

でも、神戸市で100歳以上の高齢者のうち105人が所在不明!というニュースを見て仰天しました。国勢調査や、長寿世界一の評判や、税金や社会保険の徴収や使われ方などがなんだか根底からぐらつく印象です。

生まれたら出生届をだし、亡くなったたら死亡届を、移動したら転入者転出届を出すという基本的な住民把握が実はとてもお粗末な状況になっていて、なんとなく形骸的な儀式だけが続いていたのではないかとさえ思ってしまったわけです。年金問題にしても、住民票問題にしても、形があるから正しいのだと思い込んで(または、疑問はあったものの事を大きくしたくないために黙り込んで)いたのでしょうかね。

たぶん同種の問題がごろごろしているんだろうな。

ところで、国や自治体が国民や住民を正確につかむための仕組みに、住民票と戸籍があります。実は恥ずかしながら、この2つ何が違うかというと私もぼんやりとしかわからなかったのです。そこで今回のニュースを機会に少し調べてみました。

「住民票」とは、個人を単位として住民の氏名・生年月日・性別・住所などを記録した帳票をいうのだそうです。住民の居住関係を公証するものです。単位は一人一人の個人ですが、個人個人の住民票は世帯ごとにまとめられています。居住地ごとなので、例えば子供が学校に通学するため別の居住地に引っ越しをしたら、収入の有無にかかわらず新しい住民票を作ることになります。しかもそれが一人ぐらしの場合は自動的に世帯主となるわけです。

「戸籍」とは、婚姻や離婚、出生や養子縁組等の身分事項を記録したものだそうです。人の身分関係を公証するものです。単位は筆頭者をはじめ、その戸籍にいる人全員が1つになります。戸籍でいう住所は本籍であって居住地とは関係ありません。届け出をすれば皇居だろうが、北方領土だろうが自由です。全員そろった証明書が戸籍謄本で、戸籍の中から1人だけを抜き出したのが戸籍抄本です。家族の誰かが引っ越したからといって戸籍に変更はなく、結婚して婚姻届を出すと強制的に親の戸籍から離れて配偶者との新しい戸籍に入るなどのルールがあります。ちなみに、戸籍を出たからと言って親子の縁や相続権がなくなるわけではありません。赤の他人の戸籍にはいることはできず、入る場合は養子縁組などの手続きが必要です。

戸籍の“戸”は、古代以来の中国の小家族単位を形成し、それが社会構造の最小単位として機能してきたことに由来します。こういう家族単位の把握という概念は、世界的には東アジアだけにみられる特有の制度で、他では個人単位の住民票による把握が一般的なのだそうです。

まぁ、どんな厳格な仕組みを作ったところで1億何千万人ものみんなを正確に補足することなど不可能ではあります。とはいえ、税や社会保障など大きな財源と使途に密接にからむことになるわけですからデタラメでいいはずはありません。

国民総背番号制などとあまり良い印象をもたれないのですが、この機会に国民番号といえる共通番号(または記号)で、縦割りじゃなく統一捕捉する動きがあってもいいのだろうと思います。

カテゴリ : 
佐藤雑感

10年08月11日更新

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