Satoブログ
税制適格退職年金
退職年金または退職一時金の支給を目的とした積立保険のうち、14個の要件を全て満たす保険契約について、生命保険会社、信託銀行等が国税庁長官に承認申請し、税制適格の承認を受けたものを税制適格退職年金制度といいます。
すでに平成24年3月末日をもって税制上は非適格扱いとなり、掛金の損金算入等の税制上の優遇措置は受けられなくなることになっており、多くの企業では中退共など他の制度に移行されているはずです。
T社さんではいろいろな事情でまだ移行が済んでいませんでしたので、生命保険会社さんや銀行さんにあれこれアドバイスを受けて頭が混乱されたという担当のKさんのご相談を受けました。
ご多分に漏れずT社さんでも、退職金規程に対する積立不足の問題は頭痛の種です。とくに昨年後半からの経済不況は、そうした問題を解決するために一層高いハードルとなっているわけです。
保険会社さんのアドバイスは、「退職金規程との差額は、養老保険に加入してカバーするのがよい」という提案だったそうですし、銀行さんのアドバイスも「退職金規程との差額は会社が何らかの方法で積み増しをするしかない」というものだったそうです。
しかし、そもそも適格年金制度を構築する際にそれに合わせるように作られた退職金規程を、その制度を変更した後も忠実に従う考え方に釈然としません。もちろん社員の皆さんにとっての不利益変更をしましょうということではなく、退職給付債務という会社の健康状態をも左右しかねない問題は、この際労使を含めてきちんと話し合うべきテーマではあると思います。
例えば将来債務を心配しなくてよいようにするため、退職金原資を賃金に上乗せして退職金制度を見直したり、債務が発生しないように確定拠出型を取り入れるとか。少なくても現在の予定利率での養老保険加入がT社にも社員の皆さんにもメリットがあることとは到底思えません。
日本の企業では実に9割以上の会社に退職金制度が制定されていますが、正直に言えば「求人票で無だと体裁が悪いから」「利益が出たときに税理士に中退共を勧められたから加入したけど、その後業績不振でやめた」などの理由で“制度あり”としたものの、実際にはほとんど備えがされていないところは多いものです。
なんちゃって制度は将来の労使双方に問題を引き起こす可能性があり、冷静な視点でチェックしてみる必要があります。
もちろんT社さんは、組織的にきちんと制度の維持管理をされてきたのですが、今回の移行を機会に「そもそも退職金制度は必要なのか?」というところから振り返ってみてはいかがでしょうかとお伝えしてきました。
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