Satoブログ

世にも奇妙な物語

最近新聞紙上などで“CDS”なる単語が多く見かけられるようになっています。例えば、「21日ニューヨーク・ロイター発 : 21日は経営破綻したリーマン・ブラザーズのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済日だったが、推定4000億ドルの清算に大きな混乱はなかった。・・・」といった具合です。

Credit default swap の略語でして、要するに 「企業の倒産などで債務が不履行となったときのための保証を金融商品化したもの」 だと考えるとわかりやすいのです。こういうふうに聞くと、一般的な連帯保証のような感じをうけますが、通常の連帯保証とは実はまったく違います。

例えばA社が金融機関から500万円の借り入れをする際、社長個人が連帯保証人になったとします。折からの景気悪化の影響で売上が急降下し、結果としてA社が倒産して借入金の返済ができなくなってしまったばあい、B社長さんが個人で500万円の残債を金融機関に返済しなければいけないというのが連帯保証人です。

一方CDSというのは、A社のデフォルトリスク(債務不履行確率)をいろいろなデータから計算して、E社という第三者が契約料を設定します。そしてこれも第三者であるF社が購入して、万が一A社が倒産などしてしまった場合には、E社がF社に契約に基づいた支払いを行うことになります。

連帯保証と違うのは、連帯保証人であるB社長がA社の借金の肩代わりをするのに対して、E社やF社はA社の返済義務などとは無関係にお金のやりとりをする点です。たとえてみれば、「プロ野球の日本シリーズでセ・リーグチームが勝ったら千円もらえます」という投票券を1枚200円で購入した!というのと同じようなものだという点です。

A社が倒産したら負債総額の1%がもらえます権利を1万円で売ります! あっ、それ私が買います! といったことが、A社がまったく関知しないところで盛んに行われているのです。宝くじとかサッカーくじに近い感覚にほかなりません。

計算上はそういう権利の売り手側が損をしないやたら綿密な計算で(それを高度な金融工学などと表現しているのですが)割り出し、あちこちで売り買いされているのです。ちなみに、国際スワップデリバティブス協会によると今年6月時点でのCDS取引額はなんと5460兆円にも及んでいるとのこと。

こんなギャンブル商品みたいなものが、日本の国家予算の何十年分もの巨額なお金を動かしているんですよ?信じられますか?そしてこれら膨大なCDSの発行主体に名を連ねているのが、バンクオブアメリカとかシティバンク・クレディスイス・ドイツ銀行・ゴールドマンサックス・JPモルガン・メルリリンチ・モルガンスタンレー・UBSなどの、最近急減に経営不安を伝えられる巨大金融機関群なのです。マネー遊びのなれの果て・・・ではないでしょうか。

破綻したリーマンブラザースのCDS価値は「元本の8.625%」と決まったのだそうです。つまりリーマンに関するCDSを発行していた発行者は、CDSの買い手に91.375%を支払わなければならないということです。デフォルト価値が40兆円だとしても身震いをしてしまいそうな金額です。

実際にはお互いにこうしたCDSを売り買いしあったりしているため、多くの部分は相殺処理されて、実際に現金が動くのは多く無いのだといわれていますが、こんな紙切れに値段をつけて膨らませる商売が世の多くを支配する世の中はおかしいと感じるのが正常だと思います。

日本のバブルも、1000円万円の土地に1億円の価値をつけて、差額の9000万円に錯覚した感がありましたが、今回のサブプライムローン問題を含めた金融バブルも狂乱状態と言えるに違いありません。

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佐藤雑感

08年10月22日更新

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