Satoブログ
続モチベーション
一昨日の続きです。
モチベーション研究の第一人者として、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグの名前をよく耳にします。ハーズバーグは「動機付け衛生理論」という考えを発表していますが、人間のモチベーションには 「不快を回避する欲求」 と 「精神的に成長し自己実現を求める欲求」 の2つがあり、それは全く異質なもので、両者の欲求は全く別個の要素により充足されるものであるという仮説を立てました。
ハーズバーグはさまざまな企業・職種の社員から、仕事中に極度の満足・不満を覚えたとき、どのようなことが起きたかについて質問してその要因を抽出したそうです。すると・・・
満足を招いた要因は、 ★達成感 ★他社からの承認・評価 ★仕事そのものへの満足感 ★責任 ★昇進 ★進歩 ★個人的な成長 などといった要因が81%を占め、これらを 「動機付け要因」 としました。
逆に不満を招いた要因は、 ☆企業の施策と管理 ☆監督(管理者) ☆監督(管理者)との関係 ☆労働条件 ☆給与 ☆身分 ☆保障 などといった要因が69%を占め、これらを 「衛生要因」 としました。
そして面白いことに、衛生要因が満たされないことで不満を引き起こすのですが、その衛生要因をどんなに改善しても満足度を高めることはできなかったということです。
つまり折り合いの悪い上司がいて毎日会社に出社することが苦痛な社員がいたとします。たまたまその上司が異動で転勤となり、対上司のストレスが緩和されてホッとしたとしても、だから仕事の取り組みで満足できるとは限らないということです。その後任として現れた新しい上司が、本人の強みを発掘し、仕事をまかされて成果が出て、その成果を褒められたことで俄然仕事への取り組みが改善した・・・という「動機付け要因」が改善されなければダメだということなんでしょうね。
その理屈で考えると、給料をベースアップしたとか賞与のプラスアルファを大盤振る舞いしたという事実は、一時的な満足を引き出したとしても、だから「来年もしっかり頼むぞ」 という経営者の思いを実現してくれるかどうかは怪しいものです。
すぐれた経営者(管理者)は、社員の不満要因を改善するだけでは効果が得られないことを知っており、さらに動機付け要因をきちんと与えることをやっているはずです。給料の金額が問題なのではなく、評価基準と評価そのものが大事だということはそんなことを裏付けています。
昇給してうれしいのは、「金額が上がった」という喜びよりも、「会社に認められた」「責任や権限が大きくなった」という満足感のほうが大きいのは誰もが感じていることでしょう。そこを誤解していると、せっかくの人事考課が台無しになってしまいかねません。
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