Satoブログ
ヒアリングとリスニング
昨日はほぼ終日お客様であるT社様にお邪魔してました。業務改善のお手伝いとそれに伴う改善案をまとめるために、中堅社員の皆さんからヒアリングさせていただいているのです。今週の月曜日にも4人の皆さんからお話をお伺いしたのですが、昨日も別の4人の皆さんからいろいろなお話を伺いました。
実務に関して全く私の未知なのですが、何かご提案をするときにはむしろ未知のほうがやりやすい面があります。余計な固定概念を持ってないことが強みになることがあるんですね。ただし、未知の強みがあるからと言って、何も知らないでプランを作ることなどできませんしやってはいけません。私はいつもお客さんの支援案を作るときには、社員の中の特に中堅リーダークラスの皆さんから直接1対1でお話させていただくことをお願いしているわけです。
社員の皆さんはたぶん「こいつ何者?」「怪しいやつだなぁ」などと思われるはずです。場合によっては経営側のスパイだからなどと警戒されることもあるでしょう。もしも自分が逆の立場だったとしても当然にそう思います。ですがバリアが高い状態でお話を伺っても、役に立つ情報収集は難しいものがあります。無難な情報とか差しさわりの無い情報だけであれば、わざわざ大勢の皆さんの仕事の手を休めて時間を割いていただく意味がありません。
ですから、お話を聞き始めるまでの短い時間でいか私への警戒感を解いていただけるかが非常に大事になります。長い時間をかける必要はありませんし意味もありません。警戒感を取り除くのはほとんど瞬間的な作業といってもいいようなのです。カウンセラーでもインタヴュアーでも同じでしょうが、これは聞き取りをする際に最重要作業と言ってもいいかもしれません。
警戒感がある程度取れたら、あとは傾聴心のみです。余計な自分の考えや常識などは頭から外します。相手の発言にコメントしたり論評してもいけません。大事なのは事実を伺うことだからです。まして実務に関して全く素人の私が、あれこれ言うほうがおかしいわけです。ただしうわべの聴き取りでは重要なポイントを外してしまいます。アイコンタクトやうなずきはとても重要なこちらからの意思表示ですし、何よりも欠かせないのは興味と好奇心です。それがもてなければ聴き取りなどおぼつきません。
昨日もいろんなお話を伺えました。問題点の聴き取りをする際には時に涙ながらの訴えを聴くこともあるのですが、昨日もそんなことがありました。社内ではいろいろな「事件」が起きているものです。放置できるものもあれば一刻の猶予も許されないものさえあります。お医者さんの問診にあたる部分ですが、そのあとの治療がなければ問題は解決しません。
コンサルタントは医者ではありませんので自分で治療することは行いません。治療の専門家は経営者です。私はできるだけ広い視野で見回したうえで最善策となるべき処方箋をとりまとめ、経営者にお渡しするわけです。
ですから中途半端な処方箋ではだめなのです。浅く差しさわりの無い事実を“聞いた”だけでは中身の濃い処方箋など作れません。深く本質的な事実を“聴いて”こそ役に立てると言うものです。
どんなコミュニケーションにも必要ですね、リスニング。いくら意識しても 難しいと感じる技術です。
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