Satoブログ
公平な格差?
日本経団連の夏季フォーラムで御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)は、採用の改革について 「平等に採用して会社では年功序列。競争の原理からほど遠く、イノベーション(革新)は生まれない。社会正義を平等から公平に変え、それに沿った学校教育、採用試験、給料体系にしないといけない」 と、入社から給料に格差をつける仕組みの導入を提案したようです。
しかしこれは公正な制度になるのでしょうか?学校の成績が良い事と仕事で優れた成果を残すことは違います。 成績が良いということは学習能力や記憶能力・バイタリティに優れていると捉えて、採用時の判断に使うことは正しいと思います。勉強を一生懸命頑張れた人間は、仕事でも一生懸命頑張れるかもしれません。学習で見事な記憶力を発揮した人間は、仕事の場でも同じように能力を発揮するかもしれないからです。
しかし、給料はその社員の将来に投資するお金ではなく、仕事に実績に支給される労働対価ではないでしょうか。学生時代の能力をそのまま仕事に生かせばきちんと評価すれば良いし、そうでなければ同様に扱う必要もないはずです。学校の成績と仕事の成績は必ずしも連動するとは限らないことも多いものです。
この発言の奥には、「だから教育制度を変えて産業界に優秀な人材を輩出しやすくすべきだ!」という意図が見え隠れしているように感じます。教育の本質はそこにあるのでしょうか?優秀な(何をもって優秀とするかは疑問ですが)社会人=労働者を作り上げることを教育と結びつけることがほんとに大事なのでしょうか?
私は、社会人(仕事人)としての基礎を作ることが大事なのではなく、人間としての基礎を作ることのほうがはるかに大事なことだと思います。人を思いやる気持ちを身につけたり、お金の使い方や消費の仕組みを学んだり、対人コミュニケーション(特に伝えることと聴くこと)の基礎技術を身につけたり・・・そんなことを学んだ人間が増えていったとき、この国の将来はもっと明るくなるように思えて仕方ありません。
テレビでも新聞でも毎日のように殺伐としたニュースを目にするようになりました。やっぱり何かが歪んでいるのだろうとも思います。そうした歪みの根底には、人間としての大事な素養が関係しているようにも思います。
成績に連動させて初任給を決めるなどと聞くと、あらぬ方向まで妄想してしまったりするわけです。
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